部長挨拶

 2013年4月に開校した慶應義塾横浜初等部は、今年で開校10周年を迎え、次の10年に向けて歩み出しました。幼稚舎とともに慶應義塾における一貫教育の源流の1つとして、生徒諸君が独立自尊の精神を宿した小さな紳士、淑女へと成長するよう、保護者と教職員が力を併せて教育にあたっています。
 本校の教育が目指すところは「横浜初等部の歌」の歌詞が端的に言い表しています。「律儀正直親切」な性質を備えた「気品のいずみ」となること、基礎学力はもとより体験教育や言葉の力の教育などを通して「智徳のしるべ」を目指すこと、そして自己挑戦教育などを通じて「不屈のこころ」を身につけることです。
 温かな心と深い学識を兼ね備えた教職員、青々と広がる芝のグランドに象徴される充実した施設、校医の先生が毎日在室しカウンセリング体制も整った保健室が生徒を迎えます。 
 1年生からネイティブスピーカーの教員とグローバル・コミュニケーションを学びます。そして3年生から教科担任制を行っています。「書道・古典」「ことば」「生き方」「福澤先生の時間」といった本校ならではの科目も用意しています。授業以外にも、生き物や生産者への敬意の心をもち、苦手を克服する食育、豊富な学校行事や国際交流プログラムなどのカリキュラムが有機的に協働して、先導教育を実現します。
 本校の卒業生は原則として部長の推薦により湘南藤沢中等部・高等部へ進学します。藤沢中高では、帰国生も多く集う環境で、多言語や情報、データサイエンスなど幅広い内容をバランスよく学びます。
 一層不透明で不確実さを増す社会の中で、将来活躍する人が小学生の時に育むべき資質は何か。それは福澤諭吉先生がおっしゃるところの「身体健康精神活発」であることと「敢為活発堅忍不屈の精神」をもつことであると考えます。慶應義塾横浜初等部では、そのような資質を備えた未来の先導者となる若き塾生を育てることを目指しています。

2023年4月 横浜初等部長 馬場国博

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